飲食業界ニュース

2012.03.29

イタリアの郷土料理を知り尽くした2人の日本人シェフがタッグを組んだ 客とメニューを作る新感覚イタリアン「Osteria Urara」が開店!

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【写真上】カウンターが覗けるガラス張りの外観。赤いドアが印象的だ。
渋谷駅南口。代官山寄りの閑静な住宅街に2月2日に開店したのが、一軒家イタリア料理店「Osteria Urara(オステリア ウララ)」。

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代表は大学で機械工学を専攻していたという古賀慎一氏。学生時代に中華、和食、ベトナム料理などの厨房でアルバイトし、飲食の仕事が好きになったという古賀氏は、大学卒業後、24歳でシェフを志すために上京。厳しい店で修行がしたいと知人のつてを辿って、六本木の老舗イタリアンの料理長へ手紙を書き、その熱意を買われて、ウェイターとして入店した。ホールの仕事を1年経験した後、憧れのキッチンへ。調理補助から副料理長まで約3年間で登り詰めた。
 
 その後、イタリア料理のルーツを探るために本場イタリアへと旅立つ。六本木の店に通っていたイタリア人の常連の紹介で、リグーリア州インペリア県オネーリアにある家族経営のレストランを皮切りに、シチリア州シラクーサ、トスカーナ州シエナ カステリーナ イン キャンティでは地域密着の庶民的なレストラン、そしてピエモンテ州バローロのミシュランレストランまで約2年半、イタリア郷土料理を学んだ。「24歳でシェフを目指してから、独立を夢見て来ました。イタリア料理をやるからには、イタリア人がDNAで感じる美味さを知りたい気持ちはありましたが、イタリアでは特に『やりたいことを思いっきりやればいいというシンプルな生き方』を学びました。そして、より強く感じたのは、日本文化の素晴らしさ、ホスピタリティのレベルの高さ。やはり日本で店をやりたい。最後は1人で5坪の店でもいいから、開業したいと思うようになりました」と古賀氏。
店内中央にあるカウンター8席は、キッチンを隅々まで眺める事ができ、シェフのホームパーティに招かれたかのような楽しい雰囲気。 

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2011年1月末に帰国し、コンセプトを練り始める傍ら、物件探しを始めた。その結果、有名店やホテル出身者が嫌がるという渋谷を敢えて選んだ。「今まで中高生ターゲットだった渋谷が、来春オープンの『渋谷ヒカリエ』にミュージカル劇場『東急シアターオーブ』が設置されることにより、街自体の客層が大人ターゲットに変わり始める時期。だからこそ、この街にポテンシャルを感じました。さらに渋谷にカジュアルでうまいイタリアンの店がないということがここを選んだ理由ですね」と古賀氏。元和食店だったという居抜き店舗を改装するため、今年1月1日に工事をスタート。解体業者は一切入れず、自分たちで出来るところはやった。店舗デザインは学生時代、熊本で知り合ったデザイナーに格安で引き受けてもらい、厨房はそのまま残したため、改装資金は300万円で済んだ。
 古賀さん自身もシェフだが、調理を主に担当するのは料理長の市川大介氏。イタリア修業時代にインターネットのSNSで知り合ったという2人は、同じく開業の夢を持っていたため、すぐに意気投合。お互いの店を訪れたり、イタリア国内を一緒に食べ歩きながら「帰国したら一緒に店をやろう」と盛り上がっていた。古賀氏が帰国する約1年前、市川氏は帰国し、愛宕の有名イタリア料理店で働いていたが、同店で働くため退社。そこのサービススタッフだった甘利信吾氏も店長・ワイン担当として加わる事に。そして、六本木時代の後輩シェフを含めた4人でスタートする事になった。
 
「ランチは平日、『日替りパスタランチ(ミニサラダ、スープ、パスタ、ドリンク)』(1,050円)ですが、週末は『ランチコース(前菜、パスタ、メイン、デザート、ドリンク)』(2,800円)にスパークリングワイン、赤ワイン、白ワインの飲み放題を1,200円で付けられるので、お酒が好きな人にはおすすめ」と料理長の市川さん。

 

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 「イタリアにある街場の食堂にはメニューがなく、料理を適当にガンガン置かれちゃう。あとは『今日、何食べる?』という感じ。だから、もしイタリアに居酒屋があったら、こんな感じの店というのがコンセプト。カウンター和食ならず、カウンターイタリアン。ここからつまめちゃうかも的なオープンな距離感のキッチンで、お客さんと話しながら仕事がしたいと思った」と古賀氏。しかし、最初からメニューがないというのは敷居が高すぎるということで、黒板に今日の食材と簡単なメニューが書いてある。野菜と温菜(1,200円)、パスタ(1,200円)、メイン(2,200円)、デザート(650円)の均一価格。そこに今日の食材が10種類程書かれている。「メニューの調理法は、お客さんが本当に食べたいものをコミュニケーションで決めて行く、人件費も時間もかかるから、座ったらまず10品の前菜盛り合わせと自家製パン(1,050円)を黙って食べてもらう。それで1杯飲んで帰るも良し、パスタからメインまで楽しむも良し。2Fに個室もあるので、使い方はお客さんが決めてくれればいいと思っています。たまにメニューがないのが面倒くさいという方もいますが、食事を楽しむために自分の食べるものを一生懸命考えて欲しい。関心を持ってもらえることで職人の腕も生かされる。一食入魂です」。その心意気に惹かれた客が、オープン1ヶ月で早くも2、3回リピートしているという。究極オーダーメイドの新感覚カウンターイタリアンが渋谷、代官山の大人たちを席巻する日も近い。
ナポリ料理「ソフリット(豚モツの煮込み)」(1,200円)は、赤ワインにぴったり。

 

「Osteria Urara(オステリア・ウララ)」
住所 東京都渋谷区猿楽町1-3 ユガテビル1、2F
アクセス JR渋谷駅南口より徒歩7分
電話 03-5459-2155
営業時間 11:30〜14:30(LO)、18:00〜0:30(LO)
定休日 火
席数/坪数 40席/32坪
客単価 5,800円
売上目標 月商500万円
開業資金 600万円
URL http://www.osteria-urara.jp