飲食店の経営改善事例集

2012.07.26

大手IT企業から脱サラ後、飲食事業を拡大中!
経費削減の取り組みを直撃取材しました!

飲食店経営者のほとんどが、無駄なコストを削減したいという思いを持ち、何らかの対策をしていると思いますが、実際のところどんなことをやって いるか?は、あまり教えてくれません。このコーナーは、注目の飲食店経営者にコスト削減の取り組みをこっそりインタビューさせてもらうという前代未聞のコーナー!
 
今回は、大手IT企業から脱サラし、飲食店や宅配弁当など事業を拡大中のサンクスマインド株式会社秋月社長を直撃しました!

 

P7207430.JPG【注目の経営者インタビュー】
大手IT企業から脱サラし事業を拡大!!
10年目をむかえるサンクスマインド秋月社長に経費削減の取り組みをインタビュー
 
大手IT企業から脱サラし、飲食店を4業態6店舗、弁当販売など事業拡大を続ける
サンクスマインド秋月社長に、無駄な経費を使わず会社を発展させる秘訣をインタビューしました。
 
サンクスマインド株式会社とは?
サンクスマインド社、秋月社長は、大手IT企業に10年間勤務後、平成14年に飲食店の運営を目的としたサンクスマインド株式会社を設立。北前そば高田屋のフランチャイジーからスタートし、2005年にはオリジナル業態の沖縄料理店をオープン。和食店も加わり、現在は4業態6店舗を運営し、更に昨年より弁当デリバリー事業を本格スタートするなど事業拡大に取り組んでいます。
 
  
 
経費削減への取り組みのツボ
 
1.食材費削減は、スケールメリットと仕入れの予算化が効果的
2.アルバイト代は、店長に金額でなく「時間」で示す
3.水道光熱費削減は意識改革から。
4.今の規模ならIT投資を控えても、エクセルだけでスタッフとの情報共有はできる!
 
-食材費を下げる、又は同じ金額でもクオリティを上げる為の秘訣を教えてください。
 
■スケールメリットの追求
弊社は、飲食事業の他、弁当デリバリー分野に昨年より参入しています。店舗写真(あしなび).png
1日千食以上の弁当をセントラルキッチンで作る関係で、共通する食材については、コストを下げることに成功しました。
 
また単純な仕入価格ということだけなく、例えば直接市場に自社車両を行かせ自店配送に利用することで卸売業者が食材単価に含む配送費そのものを下げることも試験的に始めています。
 
■現場の食材ロスをなくすためには、予算化が効果的
前述の通り単価を見直す努力や工夫も必要ですが、食材コストは「現場で無駄をなくすこと」のほうがより重要と考えています。結局いくら単価を少し見直しても、現場で食材の無駄がでてしまったらどうにもならないからです。
 
店舗で原価をきっちり把握し発注やレシピを管理し予定通り...といけば良いのですが、実際のところ食材原価は売上の●%と縛り付けても、現場はそれをどうしていいかわからないと結局変わらないという苦い経験がありました。
 
その為、どうしたら現場で無駄がなくなるか?を試行錯誤してきて、ある意味まだ最中かもしれませんが、「1日に仕入れる金額を決める」ことがかなり効果的と手ごたえを感じているところです。
 
つまり「何が足りないから仕入れる」のではなく、例えば週ごとに仕入れ金額を決め、「極力決められた予算内でしか仕入れをできないルール」をつくるのです。そうすると現場は、自然と高いレベルで無駄を切り詰めるように心がけ、ロスがなくなるようになりました。これを行ったことで、月額10万円近く食材費を押さえることに成功した店舗もあります。
ただし、現場スキルが伴っていない店舗や業態そのものが確立していない中でやりすぎると、顧客の不満足をもたらしかねないので、店舗や業態に応じたタイミングが大事です。
 
-人件費をおさえるために気をつけていることや工夫していることはありますか?
 
■シフト管理も「%」ではなく、時間数で
現場のスタッフに、一週間の売り上げをきちんと把握させて、人件費の予算をきっちりと決めておくことが大切ですが、食材費同様、「%」で管理すると具体的にどうやって下げたらいいかわからない場合がほとんどでした。そこで、アルバイトの管理は「時間数」で行うようにしたところ、現場スタッフにとってはわかりやすいようで効果がすぐにあらわれました!
 
例えば、その店の一週間のアルバイト時間数は○○時間というように、時間数を明確にすること。そして売上と人件費の関係性を理解させたことにより、一週間で4~5万円も人件費が押さえることができた店舗もあります。
 
ところで、一週間という単位も重要で、月次管理だと、その月の日数や祝日数で大きなばらつきがでてしまうし、単位が大きすぎて具体性に欠けてしまう場合があるのに対して、週単位だと変化を実感できるので、スタッフの意識レベルも上がり効果が出やすいのです。
 
-本部スタッフはどうされていますか?
 
本部スタッフは自分と他スタッフ1名、アルバイトの計3名で運営しています。その代わりに業態ごとにエリアマネージャーを立て、現場の管理を任せ、本部スタッフは請求関係や売上管理、出荷関係など事務的な仕事が中心です。
また、少ない本部スタッフで運営できるよう、給与計算・明細書発行や財務記帳などは、社労士、税理士といった外部のプロへアウトソーシングをしています。
 
-水道光熱費についてはいかがですか?
 
■ガス代など季節別契約ができるところは取り入れ、水道に関しては節水コマを使用することでベース部分の削減をしていますが、食材費同様現場の意識改革が重要ですね
 
取り組みとしては、直近1年間に発生した売上と水道光熱費、そして削減目標を現場に具体的に全店舗同じ土俵で示すのです。そうする競争意識が生まれ、マメに電気やガスを消したり、水道を出しっぱなしにしなかったりと、一人ひとりの意識が変わり、必ず成果があります。
 
特にそば業態は水をたくさん使うので悩みの種なのですが、少し意識しただけで月40万の水道代が半減したこともあるのです。もし水道代以外も含めた水道光熱費が1店舗10万減れば、全6店で月60万、年間720万...凄いですよね。
さらにもっと意識すれば1店舗20~30万円は変わるはずなので、うちはまだまだゆるい方だと思います。
 
水道光熱費削減方法はいろいろあると思いますが、何よりも『節約しようと言い続けること』が一番大切なことです。例えば節約プロジェクトチームを立ち上げるなどして、「トイレの電気を消しましょう!」と呼びかけるなどが有効です。
 
-ITインフラやPOSを使った情報共有についてお聞かせ下さい。
 
今のところPOSでは、売上管理と勤怠管理だけを行っており、受発注システムの導入や連動は行っていません。理由は今の売上規模、店舗数では必要ないと判断しているからです。
 
でも、全店・各店舗の売上・利益計画や実績を全店舗で共有して「見える化」することは、とても重要ですので、Excelを活用しています。
情報共有をする為の計画シートは、年々改良し相当複雑になっているのですが...
売上や利益、経費の計画や実績を共有できるのはもちろん、アルバイトシフト管理表は人件費を自動で計算してくれる優れモノです!
 
先々事業が拡大したら、色々ITを強化することも考えますが、今のところは多少2重入力が発生しても自分達の必要なデータを確実に共有できる方が効率的だと思っています。
 
 
現場スタッフに対して心がけていることは?
 
自分の目指すことや、経営に関して深いところまで理解させることは難しいことです。ですから、経営者の目線というよりも、その現場にいるスタッフの目線に立って考えてあげることが大切だと思います。経費削減に関してもしっかりと計画を立てさせることはもちろん、単純に目標●%ではなく、人件費であれば時間、食材費であれば具体的な金額、水道光熱費であれば実績の推移を示し、具体的に何をすればいいかわかりやすい状況を作ってあげて、初めて良い結果に結びつくのです。