飲食店 健全経営の基礎知識

青木勇樹

ガイド:青木勇樹ガイドへの質問

経歴
グローバルジャパン総合鑑定株式会社 代表取締役 不動産鑑定士。従来の鑑定評価業務の他、賃料改定コンサルティング、売買・任売・競売コンサルティング、出店・退店コンサルティング等の周辺業務にも積極的に取り組んでおります。最近は景気悪化の影響からか、テナントサイドからの賃料減額に関するご相談を数多くお受けしております。これまで蓄積した事例等を踏まえて飲食店経営者様向けに人件費に次ぐ固定費である賃料にフォーカスして役立つ情報を発信していきます。
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2012.10.31 青木勇樹

不動産鑑定士による飲食店舗運営コストの基礎知識③

皆様、はじめまして。不動産鑑定士の青木と申します。

弊社では、従来の鑑定評価業務の他、賃料改定コンサルティング、売買・任売・競売コンサルティング、出店・退店コンサルティング等の周辺業務にも積極的に取り組んでおります。最近は景気悪化の影響からか、テナントサイドからの賃料減額に関するご相談を数多くお受けしております。これまで蓄積した事例等を踏まえて飲食店経営者様向けに人件費に次ぐ固定費である賃料にフォーカスして役立つ情報を発信していきます。

 

震災後も、消費税増税、電気料金値上げなど、今後のさらなる経営環境の悪化が懸念される現在、中小企業だけではなく、大企業も同様、すべての日本企業はより一層のコスト削減を迫られていると思います。そこで、今回は固定費のなかでも大きなウェートを占める賃料の減額可能性(賃料増減額請求の法的根拠)についてお話したいと思います。

 

賃料改定とは?

賃料改定とは現在毎月支払っている賃料を減額改定又は増額改定することです。

 

賃料増減額請求権の法的根拠

借地借家法上は、賃料改定の期間や改定後賃料の限度等に関する規制はなく、原則として賃貸借当事者間において合意が成立すれば自由に改定することができることになっています。合意が成立しない場合には、下記条文を根拠に当事者の一方から増減額請求がなされ、協議が成立しなければ裁判所が決定することになります。

 

借地借家法第11条(地代等増減請求権)

これは地代についての条文です。家賃についての条文で解説します。

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借地借家法第32条(借賃増減請求権)

これは家賃についての条文です。地代、家賃いずれの場合も租税等の増減により土地、建物価格が変動した場合、経済情勢が変動した場合、周辺の類似物件の地代又は家賃と比較して不相当となった場合には増減額請求をできることが定められています。

注意を要するのは、不増額特約(一定期間賃料の増額請求ができない旨定めた特約)がある場合には、当該期間中は基本的に増額請求できません。(借地借家法第11条第1項但書、同第32条第1項但書)

一方、不減額特約(一定期間賃料の減額請求ができない旨定めた特約)があっても、減額請求できます。

また、誤解されている方が多いのですが、更新時でなければ、増減額請求できないということはありません。

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借地借家法第38条(定期建物賃貸借)

定期建物賃貸借契約とは、期間が満了すると契約が更新されることなく、確定的に終了する借家契約をいいます。(更新はできませんが、再契約は可能です。)

注意を要するのは、この契約形態の場合、第7項にある通り、借賃の改定に特約がある場合は、賃料の増減額請求ができません。当然ながら、特約がなければ、定期建物賃貸借契約であっても、賃料の増減額請求は可能です。

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今回は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。